3Dプリンター 熱溶解積層 メモ・雑記2
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速度を上げる事の理由
速度を上げた方が品質が上がる理由があるだろうか??
可能性の段階だが
時間当たりの射出量が関係しているのではないかと思っている
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基本的に
ノズルは太い方が
詰まりづらくなり、トラブルが減り
気泡やマテリアルのムラがラインに及ぼす影響がレベリングされるので
印刷が安定する利点も僅かながらに期待できる説がある
これはネガティブだった
まず詰まるトラブルが一気に増えた
というか0.4では一度も詰まらなかったのに
0.6は初回から詰まったし、その後も何度も印刷を失敗した
途中から出てこなくなると
気づいた時にはヒーターもチューブも高温で長時間焼かれた状態で
急激に寿命を縮めただろう
私の買った品が「たまたま」不良品だった可能性もある
が、それ以外の理由を探そう
たまたまの不良品がソウ何回も毎度あってたまるものか
これは太くなる事で流速が低下し
高温のヒーター部を通過するマテリアルが
長い時間留まる事によって焦げ付きのリスクが増えたからではないか?
とも考えられる
他方、太くなる事でリトラク時のトラベルに失敗し
先端から「お漏らし」をしてしまうリスクも増えているのではないか??
しかし私は別の可能性も考えている
1つには面圧の低下だ
ノズルの幅が増えるという事は面積は乗算倍である
この時点で既に不利である
計算上の体積を同値にする為に
押し出し速度が低下しているのだから
これが面積で割られると
点辺りの圧力は大きく低下する事になる
条件は更に悪い
だがコレに留まらない
マテリアルとはデジタルな計算上の存在ではなく質量を持って
移動する慣性が存在する
数値化されていないが、実際には勢いよく出たマテリアルは
その分強く押し付けられる筈である
逆に言えば射出が遅ければ、飛び出すことなく
重力で垂れ下がる程度でしかない筈だ
これらの複数の要素が複合的に重なって
ノズルが太い場合の印刷の成功率と品質を大きく悪化させている説は
十分に考えられる
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以上のことを踏まえた上で
改めて考えてみる
何故速度を上げると印刷が安定するのか?
ノズルの件から導き出されるように
マテリアルのヒーター通過速度は無視できない要素であり
速度を上げれば当然、フィラメントは比例して時間辺りの送り距離が長くなり
射出時の慣性エネルギーを増やす事に繋がるので
ノズル先端の圧力が増大する
水平の移動速度と合わせれば三平方の定理で
圧力ブンブン丸である事は想像に難くない
・・・いや厳しいか?
いやいや、でもソレくらいしか考えられなくね?
教えてピタゴラス
ヘイ!YO−
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フィラメントを購入する時は
そのマテリアルが対応している最高速度が重要である
いくらプリンターが高速対応でも、
フィラメントが高速対応していなければ、良好な結果は得られない
なのでどうしても最高速度にばかり目が行く
しかし
普段はあまり意識しないが
フィラメントには
最低印刷速度のスペックも表記されている
つまり、低過ぎる印刷速度では
問題が起きる事をメーカーサイドも認識している筈である
何故速度を落とすと悪い事が起きるのか
具体的には説明されていないし謎では有るが
「速度を上げた方が良い結果を生む」
というのは勘違いでも妄想でもなく
現実にありえる話なのだ
無論これは、最低速度の話なので
非常に低速過ぎる場合のデメリットではあるが
設定値や環境要素や印刷物の設計など
様々な要素の影響を加味しての
係数次第で、メリットやデメリットの影響は
もっと高速域でも起こり得ないとは言い切れない筈である
ちなみに私のフィラメントの最低推奨値は30であり
これは、一昔前ならばプリンターの印刷は
30で、品質や安定が必要な場所は10程度である事を踏まえれば
異常に低速な値、とは言えない
最低速度は異常に遅い数値であり
速度によるメリットとデメリットが逆転するのは
異常に極端な速度のみの事で、
通常の速度域では起こらないレアケである
・・・と断じる事は出来ないのだ
現実的な印刷速度域でも、場合によっては
「速度を落とすとデメリットが発生する」
「速度を上げた方がメリットが発生する」
というような現象は、十分に有り得る話なのだ
ページ作成: 2025/ 3/ 20
(最終更新: 2025/ 3/ 20)
※画面は開発中の物です
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